先日、大塔渓谷、大塔川上流にある「神保」を半年ぶりに訪ねました。
大塔渓谷は和歌山県田辺市にあります。車一台通れるくらいの道幅。熊も出るそうで、土地勘がある友人に頼んでやっと叶いました。
初めて水辺に立った時、どこまでも澄んだ透明度。
その美しさに立ち尽くし呆然としました。
あの世とこの世の境目がわからない。
ふと、死ぬならここで死にたいな。
もちろん、現実にはありえませんが、心の奥で響くものがあったのかもしれません。
この時、書いたのが「エリーの子守唄」の歌詞でした。
エリーは、今年3歳になる孫の名前です。
エリーの母親の娘は、小さいころ、一人で寝るのがイヤだと言うもので、私は毎晩添い寝していました。
娘は眠りにつくまでずっと聞いてくるんです。
「川は なぜ 海にながれるの?
雨は なぜ 泣いているの?
雷は なぜ うるさいの?
星は なぜ かがやいているの?」
応えられなくて、話を畳み込むようにして、その場を離れていた未熟な母親の私でした。
神保の清らかな水のほとりに立った時、
頭の上をよぎったのは、
あぁ私は、あの日の娘に、応えてあげたかったのか。と。
私もまた、ずっと教えてほしかったのだ。
「海の水は お空にのぼり ひとつぶの雨のすがたで
森の木を うるおしてから また海へ かえっていくの」
「人は 大地から生まれ たった一つの道を見つける
迷った時は かえっておいで 清らかな水のほとりに」
これが知りたくて、今日まで生きてきた理由だったように思います。
孫のエリーに向けて。
世界中の子どもたちへ。
そして幼かったあなたに向けて
届けられたらと思います。
「エリーの子守唄」(演奏 参SUN)
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