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Writer's pictureまやはるこ

〜「神戸新開地」の楽しみ方〜③ 「昭和の喫茶エデン」




古い扉を開けるとカランカランと乾いた音。きしむ床、ほのかな油の香り、足の裏から歴史が染みてくるようだ。店内は時空を超えた昭和にいると錯覚してしまうほどだった。


「いらっしゃい!」顔を正面に向けると太郎ちゃんの声がした。

太郎ちゃんは創業70年の喫茶エデンのマスターでありオーナーだ。


古い小ぶりのテーブルと椅子に座ると、エディットピアフの歌声が天井から聴こえてくる。

視線を少し下げる。壁にはたばこを咥えた年配の男性の写真がかかっている。

「太郎ちゃん、たばこを咥えたおじいさんの写真、エデンの創業者さん?」


「あーそれな、よう来てくれたお客さんやねん。ええ写真やから飾ってんねん」


「飾っている場所からして、エデンの創業者にしか見えへんで」と常連らしき男性が言う。

みんなと一緒にケタケタ笑ってしまった。



毎日夕方4時になると、黒い帽子を被った男性が気になっていた。テーブルの上にはカフェオーレ。静かな美しいオーラを感じていた。


「エデンから5分くらいにあるスナック「ナマコ」のオーナー、ナマコママよ」

太郎ちゃんが教えてくれた。

次回は、スナック「ナマコ」をご案内します。

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