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Writer's pictureまやはるこ

「誕生」



稲の花が咲くのを、出穂(シュッスイ)という。

午前中しか咲かない。良いお天気、わずか数時間という

条件が揃わなければ、その瞬間に立ち合えない。


神戸西区の友人の田んぼを訪ねた。

猛暑なのに、サーっと抜ける風、サラサラとそよぐ稲。

水が田んぼに流れていく。全てがハーモニー美しい世界。


友人が、指さして教えてくれる。

「この白い花はおしべ。その下にあるめしべに受粉されてね。。」


「受粉後一週間。しっかり整ったら、米が生まれるまで、

田んぼには行かないのです。静かに待つのです」

40日間経て、米の収穫だそう。


米の誕生って、なんと神秘的なのだろう。

人間の出産と重なるなって思ったよ。


地球があってこそ、大地があってこそ、

大切に扱う愛があってこそ、


私たちは生かされている。命が巡っているんだな。







1か月前、友人が突然に倒れ、あちらの世界へ旅立った。


涙で明け暮れる人、なぜ?と死を受け入れられない人、

目の前にいなくなって初めて、リスペクトできる事柄が

次から次に湧き上がる。死に様は生き様だと、教えられた。




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